スティーブン高橋の日記的なサムスィン

ジャンル:君と人生におけるネクストコナンズヒントを開拓する日記

オナ川淳二の○キンUタマ○も凍るこわ~い話

~珍歩虎寺の住職~

 目は口ほどに物を言うということわざがある。何もしゃべらなくとも、情のこもった目つきは時に言葉と同等に相手に気持ちが伝わるという意味だが、身体のある部分の動作によって感情を読み取れるということは目以外の部位でもままあることだ。例えばお昼前におなかがグーっと鳴ったならそれはおなかがペコちゃんであることを言葉にせずとも相手は察知できる。彼女がおなかがすいてると口に出さずとも、おなかの音は聞かなかったことにして一緒に不二家のケーキでおなかを満たしてやればいい。思えば僕が偽住職を看破したあの事件の時もそれが決め手となったのだった。

  あれは僕が小学生の時だった。人間だれしも年を取るごとに徐々に成長していくもので、昔の自分は馬鹿だったなあなどと思うものだが、小学生というのは今になって思い返せば特にとてもくだらないことで向きになったり、またくだらないことを気にしたりする年代であった。僕の小学校では(というよりどこの学校でもあったんじゃないだろうか)トイレで大きいほうをした子はからかわれる風潮があって、トイレの個室などから出てこようものならスカトロアナルマン2世ゴーファイッ!!などと言われてしまう始末で、とてもじゃないが学校でうんこなどできなかった。しかし便意というものは生きている以上冬に雪が降るように、コーラを飲んだらゲップが出るくらい(もしかしてオラオラですか~?)確実に、また絶え間なくそそぐ愛の名を永遠と呼んでいる仲睦まじい恋人同士にも倦怠期がやってくるように、どうしようもなく、時に唐突にやってくるものである。僕はうんこがしたかった。

  今思えば朝からうんこが出る条件は充分すぎるくらい満たしていたのだ。朝食にサラダとトーストそれに乳酸菌飲料を飲んだが、トイレに行きたくはならなかった。給食では通常のメニューに加え、休んでいた子の分の余っていた牛乳を二本も飲み、またカレーとご飯もクラスの男子による争奪戦(じゃんけん)を制しお替りした。僕はカレーが大好物だ。その中でも特にお母さんの作るカレーは絶品で、以前どうして他で食べるカレーよりお母さんのカレーの方がおいしいの?と聞いてみたらお母さんのカレーはお前が生まれてきた時に出てきたところと近い場所から出てくるからかもしれないねとよくわからない答えではぐらかされてしまった。それはともかく午後の国語の授業の時だ。昼休みには何ともなかった僕の身体の中で異変が起こっていた。午後の授業ではスイミーをやっていた。先生が黒板の前で音読しているスイミーの話をなぞるかのように、僕の体の中で乳酸菌と昼のカレーのスパイスや牛乳が出会ってしまったようだ。なんとなくうんこをしたいような気分にはなっていたが、この感じだと家までなら持つだろうと特に気にすることもなく、僕は友達と下校した。事件は下校している途中、ちょうど友達の家の方向と僕の家の方向がわかれバイバイをした後に起こった。最初は何が起こったのかわからなかった。ギュルルルルという音が鳴ると同時に僕の下半身のダムにテンションがかかるのがわかり、僕の体は無意識にだが外に出ようとするカレーに抗っていた。そして長くは持たないだろうということが瞬時に分かった。こいつは水属性だ。押し寄せてくる圧力の質が違う。固体の濃度が高いものならば感覚的に言えばもっとじわじわと圧がかかってくるものだが、こいつは最初から全力で僕のダムに攻撃を加えてきている。まるで水は川に流れるのは当然だとでも言うように。家までは後1km程度あった。学校から家までの道でここまで来るのにコンビニは一軒あったが、ここから引き返すならまだ家のほうが近い。しかし後家まで走るのは無理だとしても下半身に力を入れながら歩くと後10分はかかる。じわじわと迫りくるうんこという恐怖に僕は絶望した。

気が向いたら続く...